南高百年太鼓と洋楽器の寄贈

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南高100周年記念事業実行委員会

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記念募金で和太鼓と洋楽器の寄贈が決定

 

 母校・南多摩高校は、平成22年度から「八王子地区・中高一貫6年制学校」に変わる。この教育基本計画にある、特色ある教育指導の具体例として、「日本の伝統的な文化・芸能」が盛り込まれている。そこで近年見放されてしまっている日本の伝統文化・伝統芸能を次世代に継承してもらうために、100周年記念募金の活用として和太鼓の寄贈が決まった。この和太鼓には『南高百年太鼓』という文字が刻まれる。

 

ドーンと響きわたる太鼓の音は、叩く奏者だけでなく、周囲で見守る観衆の心にも深く沁み込んで、後輩たちが日本の伝統文化や伝統芸能に理解を深めることを、私たちは大いに期待している。

 もうひとつ記念募金の活用に洋楽器の寄贈がある。これまで生徒が演奏会に出る時は他校から楽器を借りていた。そこで今回、洋楽器の寄贈が記念募金で実現した。

ついに『南高百年太鼓』がやってきた

 平成20年3月10日、発注先の「まつり工房(長野県伊那市)」より、和太鼓一式が母校に納入され、常盤実行委員長から榎本校長(当時)に無事引き渡された(写真下)。寄贈された和太鼓は、 ❶長胴太鼓1.6尺(栓くり貫き胴):5個、 大締め太鼓 3.0尺(平置可能タイプ):1個、 締太鼓 (3丁掛6寸胴ターンバックル):2個 の3種類・8個で構成され、それぞれ演奏用に8つの脚台とバチ25本が付属し、『南高百年太鼓』と命名された(写真右)。

 

 早速、生徒から希望者を募集して男女約10数名が結集した。指導する今川先生は郷土芸能で有名な八丈太鼓で10年以上のキャリアを持つベテラン。八丈太鼓は1つの太鼓を両面から2人で叩く全国でも珍しい両面打ちで知られ、その響きはリズムを刻む下拍子と、リズムに合わせて即興で叩く上拍子とで成り立っている。「チーム今川」は、今秋の記念式典でのお披露目演奏に向けて、わずか半年という短期間での習得を覚悟の上で練習を開始した。

記念式典に向けて、百年太鼓で特訓中

 今川先生(写真右)の熱心な指導で、生徒一人ひとりがリズムを取りながら叩く和太鼓の音は、腹に響き、床を突き抜ける。その躍動感に打ち手ばかりか演習を見学する者たちも興奮した。多くの方々の熱い思いが、いま、この『南高百年太鼓』」に結集された。

 

「昼休みの30分程の練習で、こんなに上達するとは思わなかった。始めてまだ1週間の生徒も、ドラムをやっていた生徒も、みんな一緒に気持ちと力を合わせて励んでくれて嬉しい。」と今川先生は語る。改めて100年の歴史を受け継いでくれる指導者と生徒たちを目の前にして、意義深い贈り物であることが確かめられた。

 

 

洋楽器を母校に寄贈

 100周年記念募金のもう1つの活用として、平成20年6月3日、発注先の下倉楽器より洋楽器一式が母校に納められた。

 

 いままで母校は楽器の数が不足して、吹奏楽部や室内楽部が公演会で演奏するときは、他校から借りていた。

 そこで洋楽器の補充が記念募金で実現した。

 母校に寄贈された洋楽器は、❶コントラバス、❷チェロ、❸ヴィオラ、❹クラリネット(2本)で、「南高百年太鼓」に引き続き、校長室にて常国副校長、担当の小寺先生、横井先生が出席し、宝物に触れるようにして常盤実行委員長から小林校長に洋楽器が引き渡された(写真左)。

 これで他校から借りてきて演奏する苦労からは開放された。

 小林校長をはじめ、出席された先生方も大変喜んでいただいた。末永く使えて生徒たちにも喜んでもらえる楽器であったことが確認でき、寄贈した甲斐があったようだ。

 お互いに夢が叶えられ、生徒たちの演奏する音がもう耳に聴こえて来るようだった。

大先輩から貴重な楽器をいただいて
               
吹奏楽部顧問  小寺 聡

 いつか吹奏楽部の部員に、「あかね会の100周年実行委員会から楽器を寄贈していただけるそうだよ」と言うと、「すごい!」と目を輝かせてくれました。

 それから数ヶ月、先日、楽器が届いたと聞き、早速、室内楽部顧問の横井先生とともに楽器を拝見しに校長室に参じました。室内楽部にはヴィオラ、チェロ、コントラバスを、吹奏楽部にはクラリネットを2本、そのうち1本は音域の高い特殊で高価なEb(イーフラット)クラリネットです。

 

 新しく光り輝く楽器がずらっと並んだ様子は、まさに圧巻、すごいな(金額もふくめて!)思いました。

 来年の春休みには室内楽部、吹奏楽部ともに定期演奏会を開きます。その際には今回いただいた楽器から大先輩たちの後輩への熱い想いが音色となって、聴衆のみなさんに届くことと思います。

 心より御礼申しあげます。

文化祭の展示会場で吹奏楽部が演奏

 平成20967日、南高文化祭も100回目を迎えた。100周年実行委員会の展示会場は、記念式典・祝賀会を1ケ月後に控え、例年にも増して充実の内容となった。メインは『南高百年太鼓』の実物展示、私たちも知らない母校の歴史がひと目でわかる「写真で綴る南高100年のあゆみ展」、南高100年に想いを寄せる「らくがきコーナー」などが設置され、来場者から好評を博した。さらに嬉しかったことは、100周年を記念して作られた実行委員会の大漁旗の前で、寄贈された洋楽器を使って吹奏楽部の生徒たちが飛び入りで、会場内で直に演奏を実現してくれたことだった(写真右)

 

いよいよ本番の記念式典でお披露目

 20081011日、待ちに待った「南高100周年記念式典」が八王子市民会館で開催された。生徒主体の第2部「記念行事」では、映像劇「映像で綴る100年も南多摩」に続いて、まず吹奏楽部による演奏に寄贈された楽器・クラリネットが使われた(写真左下)

 さらにその演奏に合わせて、ダンス部の女生徒が舞台いっぱいに踊りを披露した。次は『南高百年太鼓』の演奏。八丈太鼓の名手・今川先生を中心に、岡部先生と10名の生徒たちが揃いの半被を着て太鼓とともに舞台に登場、先生・生徒12人が2人づつ交互に打ちあう八丈太鼓の競演が始まった(写真右上)。

 この日のために猛練習に取り組み、たった半年間でここまでマスターした努力の成果が実を結び、和太鼓の演奏は会場内の観衆を大いに湧かせるとともに、寄贈された方々への感謝の意を伝える熱い大きな響きとなった。

 続いて総勢230名の生徒で構成されたハレルヤコーラスの合唱。

 

 横井先生の指揮で、ここでも100周年の記念品として母校に寄贈された真新しい洋楽器が室内楽部の生徒に使用された(写真右下)

 若い歌声と華麗な演奏は会場に力強く響き、明るい前途を祝っているようだった。

 

サンクチュアリ

小西 翔馬 (当時3年2組) 

 

楽器をいただいて

篠崎  (当時2年7組) 

 この百年太鼓の有志は、5月からの6ヶ月に及ぶ練習を共に懸命に頑張り続けてきた仲間でした。当日の演奏は当然のことながら心に深く残っていますが、私の心はむしろ、その本番を迎えるまでの一日一日の方がより深く印象に残っています。初めの頃は学年も違うし、お互いどんな人なのか分からなかった間柄も、同じ目標に向かって日々練習するうちに、本番1ヶ月前にはメンバー全員が心から楽しめ、そして頑張れるそんな空間が生まれていました。この式典を通じて得た素晴らしい仲間達は私の一生の宝物です。

 

 

 今年度、室内楽部は100周年記念式典実行委員会から、素晴らしい楽器を寄贈していただきました。

 寄贈していただいた楽器はとても弾きやすく、毎日の部活動の時間が楽しく、充実したものとなっています。

 「100周年記念式典」のハレルヤ合奏でも、その楽器を使って演奏させていただきました。先輩方の思いの詰まった楽器が、ハレルヤをより一層良いものにしたと思っています。部員一同、これからも大事に使わせていただきます。本当にありがとうございました。

 

 *この記事は「南高100 周年広報紙」に掲載されたものを抜粋・集大成して、関連資料・写真をもとに一部を広報部が加筆したものである。