「ま・た・ね」日野原重明先生、激賞!著者は南多摩高校卒業生滝沢道子さん

20100918

 

 

 

 

著書「ま・た・ね」

 

南魂祭で著作を手に娘さんと一緒の著者

南魂祭で著作を手に娘さんと一緒の著者

 メメント・モリ(ラテン語で「死を想え」という意味)。

 この言葉が全編を貫いていました。

 表紙には「がん終末期の患者さんがくれた贈りもの」とあります。

 著作の題名は「ま・た・ね」です。

 その著作名の由来は・・・。

 ホスピスに26歳の患者さんが入院してきました。

 受け持つ看護師さんも26歳(著者)。

 入院時の問診で「座右の銘」を問われた患者さまは「ま・た・ね」と答えました。

 「友達と会って別れるとき、もう今度は会えないかもしれないと思うとつらくなるから、必ず最後に{『ま・た・ね』と言うんです」と。

 同い年の二人は看護師と患者の関係を越えて仲良しになり、語り・悩み・涙し「生きること」の意味を深く考えていきます。

そして迎えた最期。

患者さんは27歳の若さで逝きました。

 この間に起きたことを綴ることができるようになるまで多くの時間が必要でした。

 著作の帯には「8年かけて、やっと書けたこと」とあります。

本の表紙には明るい色のヒマワリがたくさん。

 8年かけて醸成された思索の結論を表現しているかのようです。

 実に重いテーマに真正面から立ち向かった同窓生の闘いの記録をひとりでも多くの皆さんに読んでいただきたいと願い、ここに紹介させていただきました。

講談社刊、著者は滝沢道子さん。

 巻末の著者略歴には最終学歴のみが書かれることが多いようですが嬉しいことに彼女は「1970年、東京に生まれる。都立南多摩高校、千葉大学看護学部卒業後、東京大学医学部健康科学・看護学科研究科で精神衛生看護学を学ぶ・・・・」と我が南多摩の卒業生であることを誇らしく記してくださいました。

 定価は1500円(税別)です。 

昭和44年卒 井上 務